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2012年8月

間欠性跛行の原因

間欠性跛行(長く歩くと脚が痛くなったりしびれてくる症状)の原因は大きく

二つあります。腰の病気(主に脊柱管狭窄症)と血管の病気(主に慢性閉塞性

動脈硬化症など)があります。

画像で診断は容易にできますが、簡単な自己診断法があります。

自転車に乗ってみましょう。血管の病気であれば、自転車のサドルに鼠径部の

動脈が圧迫され、下肢の痛みが強くなります。

腰の病気の場合は、腰が曲がるので脊柱管が広くなり、下肢の痛みが軽減されます。

簡単ではあるが、極めて正確な診断方法です。

 

低髄圧による頭痛

頭痛のほとんどの原因は筋緊張による筋収縮性頭痛です。

子供が頭痛を訴えない(発熱時は除く)のは、

子供はストレス感受性が低く、自律神経のアンバランスによる

過度の筋収縮が起きないからです。

(子供の脳腫瘍による頭痛はここでは論外にします)

成人に、まれに見られる、低髄圧性頭痛があります。

髄膜が何らかの原因で破けて、髄腋が漏れ、頭痛が誘発される

現象です。低髄圧性頭痛はいくつかの特徴があります。

1.起立時に頭が痛くなり、横になるとすばやく消失する

2.長時間起立時は吐き気、立ちくらみを伴う

3.頭の後ろ(後頭部)が主に痛くなる

4.痛みの種類は、”ガンガン”痛くなる(後頭部を殴られている痛み)

などです。

低髄圧性頭痛の治療は、blood patch ; ブラード パッチが唯一の方法です。

自分の血液で、髄膜の穴を埋める方法です。

”地獄で仏様に会った”ように痛みが消失されます。

残念ながら保険外治療なので自費になりますが、現在、厚生省で論議中なので

保険適応になると思います。

本院では、交通事故の後遺症による頭痛の治療にブラード パッチを行って

おります。劇的に頭痛は改善されます。

交通事故後、長引く頭痛がある方は、一度”低髄圧性頭痛”を疑う

必要があります。

神経ブロックとカイロの併用治療、その有用性

神経ブロックの最大のメリットは、痛みを確実、迅速に取り除くことです。

特に神経根ブロックは坐骨神経痛に対して劇的な効果を発揮します。

腰部硬膜外ブロックは、治癒目的の治療ですので、速効性には落ちますが、

痛みだけを取り除くものではなく、病気そのものを治す効果があります。しかし、

私が行った3万件以上の神経根ブロック、腰部硬膜外ブロックの有用性を

検証してみると、腰椎の不安定による痛みには神経ブロックが全く

効果が得られませんでした。

不安定は、椎間関節と軟部組織、筋肉の不調和から生じますので、

神経ブロックでいくら血流を増やしても痛みを取り除くことは不可能です。

そこで椎間関節の動きを調節し、関節、筋肉、軟部組織の歯車を円滑に

させる方法、つまりカイロの一部を取り入れることによって、

治療の幅、選択枝が大幅に増えました。

スパイナル アジャスターという椎間関節調整機器により、それが可能に

なりました。変形性頚椎症、不安定腰椎症には抜群の効果が期待できる

非常に有用なカイロの治療です。

その他、ヘルニア、脊柱管狭窄症の治療に、神経ブロックとカイロの併用は

お互いの相乗効果をかなりの確率で期待できます。

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